スピニングリール・ライントラブルの原因と解消法

スピニングリール・ライントラブルの原因と解消法

今回は、スピニングリールで発生するライントラブルの話。

釣行時に起こって欲しくない案件として、ガイドに引っ掛かる結びコブが出来たり、糸の塊がドバっと放出される”ライントラブル”が挙げられるかと。

軽度であればリカバリーも出来ますが、重症化するとラインシステムの組み直しや、最悪の場合は釣りの続行が不可能になる事も…。

ライントラブル
グチャグチャに絡まったライン

そんな煩わしいライントラブルですが、ちょっとした工夫と作業によって、発生の頻度を大幅に下げる事が可能です。

今回は、ライントラブルが起こる代表的な原因と、対処法をリストアップしたいと思います。どれも簡単な方法なので、宜しければチェックしてみて下さい。

結びコブができるライントラブル

様々なライントラブルの元凶になるのが、釣りをしていると気が付かないうちに出来ている、”結びコブ”のようなラインの結び目。

これを放置しながら釣りを続けていると、突如として高切れを起こしたり、濃密なラインの塊がドバっと生成されたり…。

結びコブ
結びコブができたライン

形成された結びコブが、ある程度大きければガイドを通る際に気が付きますが、小さい場合は分かりにくく釣りを続行してしまう。

そうなると、先程も書いた通り、様々なライントラブルを併発するので、この”結びコブ”を作らないような工夫が解消法となります。

ラインの巻き癖を確認する

まず最初に、”結びコブ”や”ライン絡み”の原因として挙げられるのが、使用しているラインによる””の状態。

スプールに巻かれた状態を記憶し、ラインが放出された後も形状を維持しようとする”巻き癖”という現象が有り、これが酷いとライン絡みが起こりやすくなります。

巻き癖イメージ
巻き癖イメージ

最近のPEラインに関しては、殆ど気にならなくなったものの、安価なリールに最初から巻かれているライン等は、ガッツリ巻き癖の付いているイメージが。

ライントラブルが気になる場合、まずは軽くラインを引き出してみて、巻き癖が酷いようであれば、別のラインを検討してみても良いかと思います。

最適な糸巻き量になっているか確認

次に、ライントラブルの原因として、使用しているスピニングリール(スプール)への”糸巻き量”が挙げられるかと。

ラインの糸巻き量が多い場合、キャスト時にスプールからズリ落ちるように、ラインの塊がドバっと放出される事が有ります。

糸巻き量
糸巻き量の説明書
出典 :『©SHIMANO|18STELLA

また、ラインを巻き替える際、テンションを掛けながら交換しますが、釣りをしている最中に巻取りが緩くなり、ラインがキャパオーバーになっている事も。

糸巻き量
糸巻き量

ライントラブル状態が、毛玉のようにゴボッと放出される症状であれば、スプールへの糸巻き量を確認し、若干余裕のある状態で再チャレンジしてみて下さい。

※意外と盲点になるのが、今までよりも”太いライン”に巻き替えた場合。下巻きを減らさず同量のままだと、ライン径の分だけ厚みが増すので要注意です。

ライントラブルの原因と解消法・テーパー角

スピニングリールのスプールに対して、ラインが巻かれている角度を”ラインテーパー”と言いますが、この角度を微調整する事によってトラブルを軽減する事も可能。

下記で解説するラインテーパーは、リール購入時に同封されているワッシャーを加減する事によって、テーパ角の調整を行います。

糸巻き形状の調整方法
糸巻き形状の調整方法
出典 :『©SHIMANO|18STELLA

正テーパー(A)

一般的に、標準とされるラインテーパー。ドラグノブ方向に対し、ラインの左右が平行になっている状態。まずは、この状態に近づけてチェックを始める。

逆テーパー(B)

ライントラブルが軽減されるテーパー角。ドラグノブ方向に対し、ラインの左右が逆台形のようになっている状態。トラブルが続く場合は、このテーパーに調整を。

順テーパー(C)

飛距離が伸びるとされているテーパー角。ドラグノブ方向に対し、ラインの左右が台形のようになっている状態。トラブルが増える可能性も。

という事で、基本的には”正テーパー”を基準とし、ライントラブルが多い場合は”順テーパー”になっていないかをチェック。

正テーパーに近い状態でトラブルが起きるなら、お試し感覚で”逆テーパー”気味に巻いてみるのも良いかと。

ライントラブルの原因と解消法・糸フケの対処

個人的に、ライントラブルの原因で一番多いのでは?と思っているのが、キャスト直後に行うラインスラッグの処理。

ルアーや仕掛けを投入した後、ガイドを通っているラインは緩んだ状態になっている事が殆どで、この緩んだラインを巻き込む事により、ライントラブルが発生します。

緩んでいるライン
緩んでいるライン

なので、キャスト時は”フェザリング”を行い、余計なラインスラッグ(緩み)が出ないように気を付ける。

フェザーリングとは?

また、リールのハンドルを巻き始める前に、ロッドを傾け重さを感じる程度ラインを張る。といった作業が重要になります。

私は、ラインの緩みが残っていると感じた場合、リール付近のラインを軽く引っ張りながら、同時にロッドを傾けテンションを掛けるようにしています。

張っているライン
張っているライン

ラインに緩みがある状態で巻き上げてしまうと、スプールのラインに遊びが生まれ、次のキャスト時にライントラブルが起こる可能性が高くなります。

軽いルアーを投げている場合、向かい風が強いタイミング、キャストを失敗した時など、ラインの緩みが出やすくなるので注意が必要です。

ライントラブルの原因と解消法・糸ヨレの対処

PEラインでは少なくなりましたが、先程の”巻き癖”と似たような現象で、ラインにねじれが生じる”糸ヨレ”という症状があります。

スピニングリールの構造上、ガイドを通って縦方向に戻ってきたラインを、スプール部分へ横方向で巻き取る事に。

糸ヨレの原理
スピニングタックル・糸ヨレの図解

その際、多少の”捻じれ”が発生し、その捻じれが蓄積して一定の負荷を超えると、ライントラブルとなって現れてしまう。

この現象を抑えるようなリールもありますが、お手軽に糸ヨレを解消してくれるアイテムも販売されています。

Water Land(ウォーターランド) ヨリトレール
●スピニングリール最大の敵「糸ヨレ」解消グッズ!●糸ヨレを感じたら→ルアーの代わりにヨリトレールを付ける→遠投→速めのリトリーブ→糸ヨレ解消!(ヨレがひどい時は2~3回)

キャストを繰り返していると、ラインの捻じれが生じやすくなるので、こういったアイテムを使い、予防しておくのも一つの解決法になるかと。

結びコブが出来てしまった時の応急処置

結びコブが出来てしまうと、そこを起点として重度のライントラブルへ繋がるため、気が付いた時点で早めの対処をしておくのが無難。

結びコブが軽症の場合、コブを中心にラインを左右へ引っ張ると、シュッと解ける場合もあります。※怪我防止のため、グローブ着用か別途道具に巻きつける。

イメージ図
PEラインを左右に引っ張る

また、結びコブ部分をプライヤーで押し潰すように挟み、これを何度か繰り返す事によって結び目が解けてくるという方法も。

イメージ図
PEラインの結びコブをプライヤーで潰す

ただ、どちらの方法も、ラインへのダメージが残らないと言い切れないので、どうしても解けなければ、ラインを切る前に試してみる。程度の気持ちで良いかと。

まずは、それぞれの項目を確認しながら、結びコブが出来ないよう注意を払い、ライントラブルの発生を抑える事が大切ですね。

ライントラブルの原因と解消法・まとめ

今回は、ライントラブルの元となる”結びコブ”が発生する要素と、それに対する対処法をリストアップしてみました。

個人的なイメージとしては、やはり”ラインの巻き過ぎ”や”ラインスラッグの巻き込み”が主な原因になっているのかと。

高切れはダメージも要チェック
傷の入ったPEライン

一方で、使用するリールやラインが起因するトラブルも有り、リールの購入時に付属しているナイロンラインは、巻き癖が強いので交換された方が無難。

また、安価なリールに関しても、足元に落とすサビキの場合は問題にならないものの、ルアーをキャストするようなキャスティングゲームの場合は、ライントラブルを起こしやすくなったり…。

ラインが浮く
ラインが浮く

一口に”結びコブ”と言っても、その原因は様々なので、トラブルが解消しない場合は、根気よく原因を探る必要があります。

兎にも角にも、ライントラブルが起きると、釣りの時間をロスしますし、最悪の場合は強制終了となってしまいますので、出来る限り予防しておきたいですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!

今回の投稿と同じ「テクニック」にある前後の記事は、下記のようになっております。お時間がある時にでもチェックして頂けると嬉しいです!!

また、9月18日現在「シーバス釣り」には「 200件」の投稿があります。カテゴリー内での人気記事や、ブログの最新記事リストも記載しておきますので、宜しければ合わせてご覧くださいませ。


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