強度の高いFGノット・ルアーロストが激減する結束の手順と要点
今回は、FGノットについて。
PEラインとショックリーダーの結束には、長年”FGノット”を利用していますが、多少の根掛りでは解けない強度が気に入っています。
実は、旧ブログからの記録を継続中で、2014年以降”根掛りによるルアーロスト”はゼロ。これも、FGノットの強度が一役買ってくれているおかげかと。
※割ってしまったルアーはチラホラありますが…。
今回は、普段行っているFGノットの組み方を解説する共に、個人的に考えているノット強度を高める為の要点について、まとめてみたいと思います。
根掛りや魚を掛けた際、ノット部分から切れてしまう事が多かったり、キャスト時に結束部分から飛んでいくような場合は、チェックしてみて下さい。
FGノットを結束する準備
まず最初に、”PEライン”と”ショックリーダー”をFGノットで結束する準備ですが、基本的に特殊な物は使わず、一般的な道具とほぼ同じです。
使用するPEラインに関しては、強度を重視するのであれば1.2号~1.5号、飛距離と強度のバランスを取るなら1.0号~0.8号辺りがオススメかと。
私の場合、年明けから初夏あたりまでは0.8号を、初夏から年末にかけては1.0号を巻いている事が多いです。※今年は0.8号で通していますが…。
ショックリーダー
使用しているPEラインによって、多少の太さを変更しますが、基本的にはフロロの4号を基準にしています。※バチシーズンはナイロンを使う事も。
グローブ
ラインを引張り締め付ける際、素手のままだと怪我をするので、必ずグローブまたは補助ツールを使って下さい。
ライター
ラインをカットした後、先端を炙るために使用します。ターボライターは火力の調整が難しいので、こういった100円ライターがオススメです。
濡らしたダスター
唯一、一般的な道具に含まれないのが、水で濡らしたティッシュやダスターで、強度の高いノットを組む為には不可欠。※詳細は次項にて説明。
強度の高いFGノットを結束する為の要点
次に、FGノットの結束強度を高める為のポイントですが、個人的には下記の二点が重要になってくると思っています。
どちらの項目も、キッチリと実験したデータがある訳では無く、実際に試した感覚での要点ですが、強度を高める効果はあるかと。
PEラインに水を含ませる
FGノットを組み始める10~15分前に、濡らしたダスターにPEラインを巻き付け、PEラインに水分を染み込ませ濡らしておきます。
ノットを締め込む直前に、摩擦によるダメージを防ぐため唾液などで湿らせますが、それとは別にPEラインにタップリと水分を含ませる。※ノットに使う1m程度。
この手法を取るようになったキッカケは、釣りをしている最中に結び直したFGノットは強度が高く、根掛りなどで結束部分から切れる事も少いように感じたので。
ざっくりした図で申し訳無いですが、乾燥した状態で結束すると、力を掛けている最中は繊維の隙間が小さくなるものの、その後は再び空気が入り隙間が広がる。
一方、水分を含ませた状態で結束すると、空気を追い出しながら力が掛かり、密度の高い結び目は乾燥してからも一定のポジションをキープする。
簡単な例を挙げると、プールに入る前の海パンの紐は解けやすいのに対し、水に浸かってから結ぶ紐はギュッと固く絞まるイメージが分かりやすいかと。
※結び目が乾いてからも解けにくいですし。
これと同じ現象がPEラインでも起きており、乾燥した状態で編込みを始めるよりは、水分を含んだ状態の方が密度が高くなるような印象を受け、それ以降この手法を取っています。※科学的根拠はありませんが…。
編込みの目を整える
次に、ノット部分の強度を高めるために重要となるのが、隙間を無くしながら丁寧に編込み、編目を整えてから締込むという事。
以前、0.4号の細糸をメインラインに使用し、ミッドリーダーをFGノットで結束する釣りをした事があります。※ノット強度の詳細は下記参照。
その際、ドラグチェッカーを使って、編込みの違いによる強度を試してみたところ、綺麗に編目を整えると、引張り強度の約96%程度をキープ。
一方、編込みを雑にした場合、約80%まで引張り強度が落ちてしまいました。この事からも、編目を整えながら、丁寧に編込みを重ねるのが重要になるかと。
堀田式・簡単FGノット結束の手順
強度を高めるポイントを書いたので、それらの要素を含め、強度の高いFGノットを結束する工程をまとめてみます。
FGノットに関しては、10年近く利用している”堀田式FGノット”にて結束します。※この手法であれば、立ったままでも結束できるので本当に便利です。
※ご本人の結束動画は、次項の『まとめ』にて掲載しておきます。
1.PEラインを口にくわえる
PEラインに水分を含ませ、ノット結束の準備ができたら、PEラインの先端を口にくわえ、本線側を何かで固定します。※逆『く』の字になるよう持つ。
自宅であれば、足の指にでも絡ませ、引っ張った際にPEラインの本線が引き出されないように固定。釣行中であれば、リールが引っ張られ無いようロッドを固定。
2.ショックリーダーを重ねる
ショックリーダーを必要な長さでカットし、PEラインに重ねます。ショックリーダーの先端を使い、編込みを進めるので、15cm前後は先端を出しておきます。
※今回は、分かりやすいよう、支点の見えている状態で進めますが、親指と人差し指で摘むように持った方が、編込み部分のズレを防止できます。
3.ショックリーダーをPEラインにくぐらせる
PEラインが逆『く』の時になるよう構え、ショックリーダーの先端をPEラインにくぐらせる。※くぐらせた後は、編込みを摘むように保持する。
※支点を中心に、PEラインの下側(本線側)へ編込んだら、次は上側(余り・咥えている方)へ編み込む。これを繰り返し、ライン同士を編込む事になります。
4.編目を整える 【重要】
ショックリーダーをくぐらせた後は、リーダーの先端を支点の逆側に引張り、編込んだ編目を奥へ押し込むように詰めます。
この動作によって、編目を綺麗に整える事ができ、ノット強度を高める重要なポイントになります。※これを雑にすると、簡単に強度が下がってしまいます。
編目が奥へ詰め込まれたら、再び緩んでしまわないよう親指と人差し指で摘み、編目の位置をキープしておく。
5.リーダーの先端を折り返す 【重要】
編目を整えた後は、リーダーの先端を折り返します。その際、『PEライン(リール側)』『PEライン(本線)』『ショックリーダー本線』のそれぞれが緩まないよう、キッチリとテンションを掛けておく。
特に、ショックリーダーの本線は緩みがちになるので、編込みの支点をキープし、指のリーチでテンションを張るよう注意が必要。
※この工程で、いずれかの部分に緩みが出ると、次の締込みでバラつく原因となるので、必ず三点をピシッと張るように意識して下さい。
6.リーダー本線を引張り締め込む 【最重要】
三点にテンションを掛けた後は、PEラインに緩みが出ないようシッカリと固定。リーダーの余りを掴み、リーダー本線を反対方向へ引張ります。
この動作によって、編込み部分が締められ、整えた編目をキープする事ができます。この動作を編込み毎に行うのが、強度の高いノットを結束するコツかと。
※今回は手芸用の紐を使ったので、編込みが滑らかに動かず、リーダー(赤色)がチラホラ見えていますが、実際のラインで行えばキッチリと隙間が詰まります。
7.編込みと締込みの動作 【補足】
解説だけでは分かりにくいかと思い、工程3~6をまとめた動画を投稿してみました。各工程でメリハリを付けながら撮ってみたので、参考がてら眺めてみて下さい。
8.編込みの完了
前項までのポイントに気をつけ、テンションが緩まないよう編目を整えながら、8~14回ほど編込みを繰り返します。※お好みで。
編込みの回数に関しては、多ければ抜けないという訳では無いので、細糸の時は多め・太糸の時は少ないめといった感じで使い分けています。
8.スッポ抜ける場合は要チェック!!
編込みが終われば、ハーフヒッチを掛けて最終的な締込みを行いますが、ショックリーダー先端が、PEラインに挟まれているポジションを取ります。
FGノットがスッポ抜けてしまう場合、このハーフヒッチを掛ける位置が違う事が殆どで、締込み時に強い負荷をかけるとスルスルと抜けてしまいます。
9.結びやすいよう方向を替える
編込みが終わると、PEラインやショックリーダー先端が下を向いている状態になりますが、ハーフヒッチを掛けやすいよう上下の向きを入れ替えます。
その際、編込み部分が緩まないよう、親指と人差し指で摘みながら方向を替え、スッポ抜けないよう各ラインのポジションを確保しておきます。
10.PEライン先端でハーフヒッチ
ショックリーダー先端とPEライン本線を合わせて持ち、その二本を包み込むようにしながら、PEライン先端(余り)でハーフヒッチを掛けます。
ハーフヒッチを掛けた後、ギュ~っと強く締込むと、その部分から曲がったりと変なクセが付くので、適度な力加減で結べばオッケーです。
11.ハーフヒッチについて 【補足】
ハーフヒッチと言えば難しく聞こえますが、お馴染みの”片結び”と同じで、輪っかを作ってから先端を通して下さい。
12.編目を締込む
ハーフヒッチを掛けた後は、最終的な編目の締込みを行います。まずは、締込み時の摩擦によるダメージを軽減する為、編込み部分を湿らせます。
次に、PEライン本線とショックリーダー本線を手に巻き付け、ジワッと力を入れながら引張り、結束部分を締込みます。※必ずグローブ着用の事。
徐々に力を強くし、編込み部分のラインが”透明に変化”すれば終了。※ハーフヒッチの掛け方が違うと、この工程でスルスルと抜けてしまいます。
13.交互にハーフヒッチを掛ける
編込み部分のPEラインの色が変われば、PEライン先端(余り)を使い、PEライン本線とリーダー先端に対し、ハーフヒッチを掛けます。※5~8回程度。
その際、ハーフヒッチを一定方向から掛けるのでは無く、裏表を入れ替えながら掛けると、バランスの良い編目になります。
14.エンドノットを掛ける
ある程度ハーフヒッチを掛ければ、最後は結び目が解けないよう、輪っかの中を2回くぐらせてから締込みます。(エンドノット)
エンドノットが緩いと、結束部分が解ける可能性があるので、ハーフヒッチの編込みに並ぶよう整え、キッチリと締込んで下さい。
15.不要部分をカットしライターで炙る
最後は、PEラインの余りと、ショックリーダーの余りをカット。※ピッタリ切らず、少し余裕を持って切るようにして下さい。
その切り口をライターで炙る事により、PEラインはホツレ防止、ショックリーダーはスッポ抜け防止に役立ちます。
※今回は、PEラインの先端もカットしましたが、ショックリーダーの切り口から、PEライン本線を保護する目的で、リーダー先端(不要部分)のカット後に、PE本線へハーフヒッチを掛ける手法もあります。
※ライターの火を編込み部分に近づけ過ぎると、せっかく結束したノットまで焼けてしまうので、ラインの切り口周辺だけを炙るようにして下さい。
高強度のFGノット・ルアーロストが激減する結束のポイント・まとめ
かなり長くなってしまいましたが、普段のFGノットは上記のような手順で結束し、釣行の準備をしています。
一応、長年利用している”堀田式FGノット”をベースとしていますが、ご本人様が解説されている結束動画があったので掲載しておきます。
堀田式FGノット
今回紹介した、強度を高める工夫に関しては、科学的な検証は行っていないものの…。PEラインに水分を含ませる事によって、結束部分の密度が上がり、カチっと決まるような感覚があります。
また、編込みのバラつきは、ノット強度の低下に繋がるので、一編みごとにキッチリと編目を整えながら締込み、均一な編込みを心掛けて下さい。
私が意識しているのは、上記の二点(水分を含ませる・編目を整える)ですが、これらを意識して以来、根掛かりによるルアーロストは無く、引っ張りながら外す事が出来たり、フックを曲げての回収に成功しています。
今回紹介した方法であれば、特別な補助ツールは必要ありませんし、釣り場でもササっと結束する事が出来ます。
FGノットの結束強度に不安があったり、結束部分から切れる事が多いようであれば、一度これらの項目を確かめながら、ノットを組んで試してみて下さい!!
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!
今回の投稿と同じ「テクニック」にある前後の記事は、下記のようになっております。お時間がある時にでもチェックして頂けると嬉しいです!!
また、10月13日現在「シーバス釣り」には「 200件」の投稿があります。カテゴリー内での人気記事や、ブログの最新記事リストも記載しておきますので、宜しければ合わせてご覧くださいませ。
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