【図解版】ルアー釣りのラインシステムで重要になる弱点
今回は、釣りのラインシステムについて。
リールから出るPEライン本線に、ショックリーダーとスナップを結束して使う、ルアー釣りのラインシステム。
それぞれの結束部の強度が、高いに越したことはないのは勿論ですが、逆に”弱い部分”をコントロールする事で、水中に残るゴミを減らす事が出来ます。
先日、浜で釣りをしていると、波間を漂うルアーを見つけ回収に成功。そのルアーは、色んな工夫が詰まっており、ルアーロストするなら理想的な切れ方でした。
ラインシステムを組む際、一般的に『最強』と謳われるノットばかりを取り入れると、大抵の場合はショックリーダーとの結束部で切れてしまいます。
今後も釣りを楽しむために、環境面にも意識を置いて、あえて『弱い部分』を作る必要性と手法を書いておきます。
ラインブレイクの場所と水中ゴミの関係
ルアーが根掛かりした際、角度を変えたり跳ね上げたりしても外れない場合、最終的にラインを引っ張り回収する事になります。
その時のラインブレイク率は高く、基本的にはラインシステムの弱い部分で切れる事になり、場所によっては水中にゴミを残してしまう結果に。
万が一ラインブレイクした場合、水中に残ってしまうゴミや環境のことを考慮すると、下記のような順位(部位)になるかと。
- ① フックが折れる
根掛かりしたルアーのフックが折れる(曲がる)。または、スプリットリングが壊れ、水中にフックは残ってしまうもののルアーは回収できる。 - ② スナップ部分で切れる
スナップとショックリーダーの結束部で切れ、全てのラインは回収できるも、ルアーが水中に残ってしまう。 - ③ リーダー結束部で切れる
ショックリーダーとPE本線のノット部分から切れてしまい、ルアーとショックリーダーが水中に残ってしまう。 - ④ PE本線で切れる
引っ張っている最中に、ゴロタや蠣瀬などに触れてしまい、PEライン本線の途中から切れてしまう。※水中には相応のラインが残る。 - ⑤ 手元で切る
リールの先からラインをカットする。大量のゴミ(ライン)が水中を漂い、事故に繋がる恐れもあるので、絶対にやってはいけない。
理想はスナップ部分まで
トレブルフックの1本が抜け、ダブルフックになって回収できる事が稀にあるものの、フックやスプリットリング等の金属を曲げる・折る事は容易では無く…。
水中に残してしまうゴミに焦点を当てた場合、最小限で済ますには『スナップの結束部』で切れる事が理想に近いと思います。
一番多いのはノット部分
スナップ・ショックリーダー共に『最強(強い)』ノットで結束すると、先程も書いた通り、PE本線とショックリーダーの結束部で切れるケースが殆ど。
この結束部で切れてしまうと、PE本線は回収できるものの、ショックリーダーとルアーを水中に残してしまう事になり、それらのゴミが新たな根掛かりの原因になってしまう場合も。
意図的にスナップの結束強度を下げる
釣り人の感覚的に、「全部を強くすればルアーは無くならない」という気持ちは分かりますが、フックを曲げて回収できるケースの方が少ない。
根掛かりした相手が硬い物で、フックの先端がチョコっと掛かっている程度であれば回収できるも、ズタ袋や大型ゴミの場合はラインブレイクに繋がってしまう。
なので、万が一のラインブレイクに備え、水中に残ってしまうゴミを減らす工夫として、スナップ部分のノット強度を予め弱い物にしておく。※「弱い」と言うと語弊がありそうですが…。
シマノの公式サイト『ノット辞典(ライン&サルカン等)』の結束部分に注目すると一目瞭然。ウィークポイントコントロールの具体的な手法として、スナップに掛かる輪っかの数をシングルにしてあげる。
例えば、一般的に強いとされている”ダブルクリンチノット”や”パロマーノット”、”漁師結び”などは、スナップに二本のラインが掛かるノットです。
※イメージ図下(青色)
一方、自身が普段使いで利用しているのは”クリンチノット”で、スナップには一本のラインが掛かるノット。
※イメージ図上(赤色)
単純に考えても、力に対して一本で支えるより、二本で支えた方が強度が高まるのは当然なので、ラインシステムのウィークポイントを作るのであれば、スナップ部分のノットを1本にするのが現実的。
スナップを結束するノット
前項で書いた通り、スナップのノットをウィークポイントにすれば、水中に残るのはルアーとスナップだけになるので、不要なラインを沈めずに済みます。
ただ、プチプチ切れてしまうと本末転倒なので、対象魚やPE本線の太さ・強度などを考慮し、予め強めておく方が良い場合は2本ノットを利用する。
スナップ結束ノットの具体例
ここ数回エイがヒットしたように、季節や釣り場・海の状況を考え、強度が必要な時はノットを替えて準備しておく。
クリンチノット
出典 :『©バリバスTV セカンドチャンネル』
スナップに掛かる輪っかが1本のノット。
基本的な釣行には、こういった1本のノットを利用し、根掛かりの場合はノット部分からラインブレイクするよう設定する。
クリンチノットの結び方
ダブルクリンチノット
出典 :『©バリバスTV セカンドチャンネル』
先程のクリンチノットを二重にする。
スナップに掛かる輪っかが1本のクリンチノットに対し、こちらは2本掛かるノットなので、ある程度の強度を確保できる。
ダブルクリンチノットの結び方
パロマーノット
出典 :『©バリバスTV セカンドチャンネル』
強度を確保できる2本タイプのノット。
フロロカーボンのショックリーダーを使う場合、ラインの号数を上げる(太くする)とゴワツキが生じ、結束しにくくなってしまいますが、このノットであればスムーズに結束する事が出来ます。
パロマーノットの結び方
完全結び(漁師結び)
出典 :『©バリバスTV セカンドチャンネル』
強度を確保できる2本タイプのノット。
一般的に「一番強い」とされているノットで、こちらもフロロリーダーのゴワツキを気にせず結束できます。※締め込み時に緩みが無いよう注意。
完全結び(漁師結び)の結び方
一応、数パターン紹介してみましたが、自分の場合は通常時に”クリンチノット”、強度を上げたい時に”パロマーノット”を利用しています。
文中でも書いた通り、強度確保に伴いリーダーを太くすると、多少のゴワツキが出る場合があるものの、パロマーノットであれば然程気にせず結束する事が可能ですし、何より工程が簡単なので直ぐにマスターできます。
ルアー釣りのラインシステム・まとめ
今回は、水中にゴミを残さないために、ラインシステムを『最強』だけのノットで組むのでは無く、ウィークポイントを作って切れる位置をコントロールするといった事を書きました。
勿論、ルアーを無くす事無く、ラインを切らずに住むのが一番なので、強度の高いノット(特にショックリーダーとPE本線の結束)を組むのは必須。
FGノットの場合、編み込む時の精度や密度によって、結束強度が大きく変わってくるので、カチっと組めるよう練習してみて下さい。
また、近年は水辺のゴミ(特にフックと釣り糸)問題から、釣り場が閉鎖されたり、釣り禁止になってしまうケースが多発しています。
釣り場の開放には時間が掛かりますが、釣り禁止までの流れはアッという間なので、子供達にも釣り場を残せるよう、今回のようなゴミ問題に取り組むのも大切かと。※何度も書きますが切れないのが理想!!
根掛かり時、リールの先からラインを切ってしまう手元カットは言語道断ですが、水中に沈んだPEライン・ショックリーダーが次の根掛かりを生む事もあります。
『最強』=ルアーを無くさない
のでは無く、可能な限りラインシステムの強度は確保し、不意の根掛かりはゴミを引っ剥がしてルアーを回収する。
それが出来ない場合、万が一のラインブレイクに備え、水中に釣り糸を残さないよう、スナップから切れるような工夫も必要だと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!
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