トップガイド・外れた(破損した)SICリングを交換する方法
今回は、トップガイドのSICリングを交換(付け替え)するお話。
釣行の準備をしている際、ガイドにラインを通していると違和感が…。よくよく確認すると、トップガイドのSICリングが外れている。
過去にもやらかした事がありますが、キャスト時や移動中にロッドの先端を強く当てると、SICリングが外れて行方不明になってしまいます。
やらかした!!
先日、ロッドを車から降ろして自宅に持ち帰る際、どこかしらにぶつけた感触があったのですが…。
先程、釣行の準備しておこうと、ラインを通していたら、トップガイドのsicリングが行方不明に😭
とりあえず、適当なガイドを探してリングだけ移植するか、どうしようか…。面倒だ…💦 pic.twitter.com/8dEzvyTCCa
— MACO (@MacoLOG) October 11, 2019
釣行後、車からロッドを降ろす際、駐車場の壁か車のシートに「ガツン!」と引っ掛けた認識はあったのですが、まさか外れていたとは…。
という事で、今回はトップガイドのSICリングが外れたり破損した際、別のガイドから付け替える手順や、その他の対処法をまとめてみたいと思います。
SICリング交換・3つの選択肢
まず最初に、SICリングを交換する方法について。
今回紹介する『他のトップガイドから付け替える』方法を含め、SICリングの交換は、大まかに分けて3つの手法を選ぶ事が出来るかと。
SICリング交換の選択肢
- 他のガイドからSICリングを付け替える
- トップガイドを付け替える
- メーカーに出して修理してもらう
上記の中では、『メーカー修理』が確実な方法だと思いますが、納期も掛かるうえ、そこそこの金額(3000円前後)になってしまう事も。
そうなってくると、一番手っ取り早く直せるのは、新しいトップガイド購入し、適当な所でロッドをカットして付け替える方法。
ただ、この方法を選んでしまうと、万が一ロッドを手放したい(売りたい)時、数千円単位で査定が下がってしまいます。※経験済み。
なので、今回は別のトップガイドを用意し、そこに付いているSICリングを外して付け替えるという方法にて、修理してみたいと思います。
SICリングの交換方法
SICリングを交換する場合、作業自体に難しい工程は無く、一番重要なのがトップガイドに合致するSICリングを探す事。
取り付けようとしているガイド経を計り、ネットショップで注文する際に、商品が内径・外径どちらの表記になっているか注意する。
SICリングを取り外すので、ガイドの素材は安価な物で構いませんが、付け替えるガイドにキッチリ収まる物を用意して下さい。
1.ガイドを熱する
金属の洗濯バサミなど(今回はプラモ制作で使う『Mr.ネコの手』を使用)でガイドを挟み、ライターで軽く熱します。※熱くなるので直持ちは危険。
2.SICリングを取り外す
ガイドをライターであぶった後、プライヤーでSICリングが外れないか押してみる。
熱している最中に、ガイドとリングの接着部分から『フワっ…』っと白い煙が昇るので、これが外れた目安になるかと思います。
SICリングもトップガイドも、外れた直後は熱を持っているので、直接触らないように注意が必要です。
※濡らしたダスターを用意しておき、外れたSICリングとガイドを包み、しばらくの間(数十秒)冷やしても良いかと。
3.SICリング表面を整える
ガイドから外れたSICリングには、接着剤が残っており側面は凸凹状態。
スムーズに付け替えるためにも、リングの側面を綺麗に整えておきます。まずは、先程と同様ライターで軽くあぶり…。
接着剤に熱が入った状態で、濡れたダスターに押し当て拭き取ります。これで、ザックリとバリ化した接着剤を落とし…。
ヤスリを使って、表面を滑らかにしておきます。
接着剤が残っていない場合は、ヤスリを使う必要は有りませんが、手で触って凸凹した感触があるなら、接着面を整えておきます。
※SICリングを貼り付けるロッドに、接着剤の跡が残っている場合は、耐水ペーパーなどで擦って滑らかにしておく。
4.接着剤を準備する
前回の『振り出し竿のトップガイド脱着』にも使用した、エポキシ系接着剤『J-Bウエルド オートウェルド』を準備。※前回の記事↓
この接着剤は2剤タイプとなっており、同量を良く混ぜ合わせる事により強力な接着力となるので、3分ほど掛けてジックリと練り合わせます。
今回も接着面は少なく、練るのは少量で十分。
この接着剤は灰色なので、黒い部分に使用する場合は目立たず良いですね。※独特な臭いがするので、換気をしながら使用して下さい。
5.SICリングに接着剤を塗る
次は、練り合わせた接着剤を、SICリングへと塗布します。
その際、リング自体をピンセットで持ち、竹串など先端の鋭利な物で塗っても良いのですが、写真のように綿棒に通して塗ると、後の作業効率もアップします。
ピンセットで摘むと、その部分が塗り残しとなってしまいますが、この方法であれば接着剤を全体に塗る事が出来ます。
更には、接着剤がSICリング内部へ付着するのも防げますし、仮止めもしやすくなります。※今回使用したのは『墨入れ拭取り用』の綿棒です。
6.SICリングをガイドへ接着する
接着剤を塗ったSICリングをガイドへ貼り付けるのですが、ピンセットで作業すると、意外に難しいのがこの作業。
クリアランスが少ないので、真っ直ぐ置いているつもりが、斜めに入っていたりと結構苦戦します。※綿棒を使うと、スパッと一発で位置を決める事が出来ます。
貼り付け位置が決まれば、マスキングテープを使って綿棒とロッドを仮止めし、SICリングが動かないように固定。
※この時、SICリングが浮いていたり斜めになっていると、そのまま固まってしまう可能性もあるので、キッチリと真っ直ぐに押し当てて下さい。
7.接着剤を拭き取る
湿らせたペーパータオル等で、はみ出た余剰分の接着剤を拭き取ります。
最終的な仕上げは行いますが、接着剤がリングの内部で固形化してしまうと、ラインブレイクの原因にもなってしまうので、この段階で出来る限り拭き取っておく。
綿棒のおかげでSICリングが動きにくくなっているものの、接着剤を拭き取った後は、接着面に多少のズレが生じているので、ピンセットを使って再度圧着。
同じように、ガイド内側の接着剤を拭き取る。最終的に、SICリングの周辺に、はみ出た接着剤が無くなれば乾燥へと進みます。
8.接着剤を乾燥させる
SICリングがズレないよう注意し、接着剤の仕様に従い乾燥させる。
※完全に乾燥させると、接着剤に触れている綿棒が固着してしまうので、接着面がある程度固まったタイミングで外してあげる。
9.耐水ペーパーで滑らかにする
丸一日ほど乾燥させ、作業を再開。
はみ出た接着剤が固形化している可能性があるので、細かい番手の耐水ペーパー(今回は1000番)を使って、SICリング内部を軽く整えてあげます。
実は、綿棒を抜かず寝てしまったので、乾燥後に引き抜くと繊維が残ってしまいましたが、この作業で綺麗に除去する事ができました。
接着剤がバリのようになっていると、ラインに傷が入ってしまうので、この工程は指で何度も確かめながら、接着面周辺が滑らかになるまで続けます。
※特に、SICリングの内部から内外のエッジに掛け、鋭利な角が残らないよう、感触を確認しながら丁寧に整えてあげる。
10.SICリングの交換終了!!
接着面やSICリング内を整えたら、綺麗に拭き上げて作業終了!!
一応、耐水ペーパーを掛けながらチェックしてみましたが、SICリングとガイドはガッツリと接着されており、釣行中に外れるような事も無いかと。
SICリングを交換する方法・まとめ
今回は、外れてしまったSICリングを、別のトップガイドから付け替えるという作業を行い、手前味噌ながら綺麗にリペアする事が出来たと思います。
本来であれば、トップガイドごと交換してしまうのが手っ取り早いのかも知れませんが、最近はメルカリやらで売りに出すケースも増えてますし、極力ダメージの少ない状態に留めておこうかと、この方法を選んでみました。
※まぁ、気に入っているロッドなんで、売りに出す事は無いと思いますが…。
この方法であれば、万が一失敗したとしても、メーカーに出せばトップガイドの交換とスレッド巻きで元通りに復元できますし。
ただ、SICリングが外れるという事は、それを収めていたガイド自体も、ダメージを受けている可能性がありますし、実際このトップガイドも若干歪んでいる部分が…。
一応、今回使用した接着剤は濃度があり、パテのようなイメージで使えるので、隙間が出来そうな部分には余分に盛って対応しましたが、これで再度外れてしまうようであればメーカー行きですね。
ちなみに、この修理で購入したのは、SICリングを移し替える為のトップガイドのみ。費用にして900円弱(送料込み)で済みました。購入したガイドは↓
ガイドは使用しないので、素材は何でも良いのですが、SICリングのサイズはキッチリ計る必要があります。
正直、メーカー修理が一番楽かと思いますが、費用を掛けたく無い・ロッドを切りたく無い・短期間で修復したい場合、この方法が最適かと。少し手間は掛かりますが、覚えていて損は無いと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!
今回の投稿と同じ「釣り関連の話」にある前後の記事は、下記のようになっております。お時間がある時にでもチェックして頂けると嬉しいです!!
また、11月28日現在「シーバス釣り」には「 201件」の投稿があります。カテゴリー内での人気記事や、ブログの最新記事リストも記載しておきますので、宜しければ合わせてご覧くださいませ。
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初めまして、sss68 と申します。
ガイドリングのみの交換なら、火を使わなくても出来ますよ。
移植する側のガイドのリング保持部の金属を砥石で少しずつ
研削していくと、リングを外せます。
ガイドを手に持って、包丁砥用の砥石に数分こすり続けると
保持部の金属が極薄くなり、ぱっ と金属が裂けます。
後はリングを外して、くっついている接着剤を砥石で研磨したり
カッターの刃などでそぎ落とせば綺麗になります。
その後、移植先のガイドにエポキシ接着剤で接着すればOKですね。
では、ロッドを修理し、釣りを楽しみましょう。
初めまして!!
コメントありがとうございます!!
リング保持部の金属を研削する方法もあるんですね!
今までやった事が無い手法なので、ストックのガイドを使って一度チャレンジしてみます!!
貴重な情報ありがとうございました!(^^ゞ
はんだごてを突っ込んで軽く押し続けるという手もあります
炙って濡れたもので拭くのは熱さと運によっては割れるので、ゆっくり冷やした方が安全です。
コメントありがとうございます!
はんだごてという方法もあるのですね。
はんだごては持って無いですが、今後購入した際に機会があれば試してみます!!(*^^*)