シーバス釣り・明暗スポットが釣れる理由と具体的な釣り方
今回は、明暗の釣りについて。
シーバスを釣るための定説は幾つかありますが、その中でも代表的な物が『明暗撃ち』と呼ばれる釣り方。
手軽に実践できる手法ですが、その実効性は高く、シーバス釣りを始めたばかりの方でも分かりやすいのでオススメ。
基本的には、ナイト釣行(夜間)の釣法になりますが、ルアーを投げる場所も把握しやすく、ある程度の釣果も期待できる。
初めてのシーバスを釣る為にも役立ちますし、サイズを狙った釣りへ展開する事も出来るので、図解を含めながら明暗の釣りについて書いてみます。
※解説のため、夜景写真を撮った近隣の水辺を掲載しますが、イメージ写真として利用するので予めご了承下さいませ。
明暗スポットが釣れる仕組みについて
まず最初に、明暗が出来る場所についてですが、主に河川や港湾部に掛かる橋の街灯により、水面に明るい部分と暗い部分が形成されます。
規模の大小はありますが、海や河川では良くあるシチュエーションなので、日が落ちてから探せば直ぐに見つかると思います。
簡単に見つけられるのは、河川や港湾部を通る高速道路などがあるエリアで、上記写真の赤線左側が橋の下になる暗い部分。右側が高速道路からの照明が当たる明るい部分となっており、こういった場所を明暗スポットと呼びます。
こういった明暗が『釣れる』とされている理由は、前回の投稿で解説したベイトの集まり方による要素が大きく関係するかと。
シーバスが光に集まる習性を持っている訳では無く、上記の記事で書いた通り、光に対してプランクトンが集まり、それを餌とするイワシや小魚などのベイトが寄って、小魚を捕食するシーバスが集まってくる。
なので、明暗部分にカタクチイワシやイナッコなどのベイトが入っていれば、シーバスを釣る絶好のチャンスタイムとなります。
また、ベイトを確認できない場合でも、明暗部分をウロウロとしているシーバスも居るので、こういった場所が一級のポイントになりやすい。
明暗の効果が効き始めると、ベイトを追うスイッチが入っていない状態でも、その周辺を行ったり来たりしている事があったり。※同じようにボラも集まりやすく、見間違える事があるかもしれませんが…。
このように、明暗スポットとは街灯による明度の違いを差し、食物連鎖の仕組みで成り立つシーバス釣りの定番ポイントになります。
明暗スポットの探し方と注意点
次に、明暗スポットの見つけ方についてですが、他の釣り場と同様グーグルマップなどの航空写真で目星を付け、夜になってから実際に行ってみる。
航空写真からある程度の情報を得る事は出来るものの、条件によって明暗の形成具合も変わってくるので、まずは実際に出掛けてみる。そして、可能であれば少しでも釣りをして、周囲の感触を確かめておく。予想がズバっと当たると…。
捕食活動中のシーバスを見つける事も。
ただ、一口に明暗と言っても、シーバスが釣れる可能性が高いスポットもあれば、それほど期待できないシチュエーションも。一応、個人的に考えている要素としては…。
良いとされる明暗の条件
- 光源と水面までの距離が近い(橋が低い)
- 明るい街灯が設置されている
- 橋が横幅が太い(4~6車線分)
- 適度に流れが出ている
- 人通りが少ない
- 身を隠せるような草などがある
といった感じ。
この中でも特に重要なのが『①』と『②』の項目で、橋が低い場合は街灯の光が強く当たるので、暗い部分と明るい部分の明暗濃度がハッキリと形成されます。
影の濃淡がハッキリ出ると、ベイトも明るい側へ集まりやすいですし、暗い側ではシーバスも待機しやすくなります。
上記写真の明るい部分、一見波のように見える模様は全てイナッコで、赤線・矢印部分より右側の暗部にて、一晩中ボイルが起こっていました。
逆に、橋には高さが有り、街灯の光が拡散してしまうような場所は、明暗ポイントになりにくい。※夜景撮影には良いのですが…。
近くで見ると多少の明暗はあるものの、一晩中ベイトやシーバスをストックするほどのポテンシャルは無く、明暗の釣りとしては成立しにくい。※ちなみに、この橋の下は立入禁止なのであしからず。
グーグルマップで探していると、こういった現地の状況を掴みにくいので、やはり目ぼしい場所を見つけたら、実際に行って確かめる方が良いと思います。
明暗での基本的なルアー操作と釣り方
次は、明暗での釣り方についてですが、まず最初に『橋』の近くへルアーを投げる事になるので、人や車が通っている時は絶対にキャストを行わないように注意。
重大な事故につながるので、普段よりも慎重に確認し、安全を確かめてからキャストする事。※橋の上にルアーが乗らなくても、ラインが風で流され橋の上に乗る事があります!!
上記写真は左側が上流で、左から右へと流れており、赤い点線より右側が暗部・左側が明部となっているポイントです。※ポイントに配慮し、シーバス釣りと関係の無いガリガリ橋を参考例に挙げます。
こういった場合、基本的なスタンスとしては明暗の境目を中心にシーバスが待機しており、明部から流れてくるベイトを狙って捕食する。
キッチリと影の中にシーバスが並んでいるのかと言えばそうでは無く、明るい部分まで出てベイトを追っている個体もいるし、境目の更に奥の橋脚周辺にスタンバイする魚も居ます。
なので、神経質に境目のラインを狙わなくても良いのですが、まずは一つの目安として点線周辺を探るように。
釣り場に到着したら、できるだけ人影を落とさないよう水面から離れ、明暗のラインよりも上流側に立ち位置を取る。そして、自分の真正面辺りにルアーを着水させ糸ふけを取り、ゴリゴリ巻かずスローにリトリーブ。
すると、川の流れに乗せられたルアーは下流側へ向かいながら、頂点を迎える部分で弧を描くようにターンし手元に戻ってくる。※ターン等は別の機会に投稿予定。
最初は何をやっているのか全く分からないかと思いますが、ロッドの先端から出ているラインの方向と水面の接点を眺め、明暗の暗部に入ったところで向きが変わるように立ち位置やリトリーブ速度を調整する。
こういった手法を使い、明暗の周辺を点(弧を描いた頂点)で探るのが、オーソドックスな明暗の釣りとなります。
明暗スポットでの具体的な釣り方
基本的な明暗の釣りは、前項で書いた『U字・しの字』ターンとなりますが、それをベースにした手法が幾つかあります。
※明暗の上流側に先行されている釣り人が居る場合、その人は明るい方から暗い方へとルアーを動かしながら釣っています。明暗の境目周辺が「空いている!」と思い釣り始めると、トラブルの元になるので要注意。
立ち位置・着水点をズラす
基本的な『U字・しの字』ターンの延長になりますが、ルアーの着水点を手前や奥にズラしたり、自身の立ち位置を上流側や下流側へ微調整する事により、点で探っていた明暗の境目を『線』にして調べる事ができます。
最初は、リトリーブしているルアーが何処に有り、どういった軌道で戻って来るのか掴みにくいかもしれませんが、ラインの方向と水面の接点に注目して下さい。
明暗を出し入れする
流れが弱い場合や時間が無い場合は、明暗の境目付近にルアーをキャストし、ロッドの向きを暗い方から明るい方へ・明るい方から暗い方へと交互で変えながら、ロッド操作によってルアーを明暗に出し入れする。
多少強引な手法ですが、流れが弱く思うようにルアーが暗部へ入っていかない時は、ロッドの向きを変えて軌道を調整します。
※明暗の上流側に先行者が居て入れない場合、橋の下流側にエントリー。明暗の境目に立ち位置を構え、この手法で明暗を出し入れする事も有効。
橋脚を頂点に設定する
個人的な感覚として、セイゴと呼ばれるサイズのシーバスは好奇心も強く、明るい部分でもベイトを追いながら捕食しているイメージですが、スズキやランカークラスは明暗の奥にある暗い部分で待機しているように思います。
なので、ルアーがターンする頂点を明暗に設定するのでは無く、橋を支えている橋脚周辺で方向を変えるよう調整する。
単純な事ですが、セイゴの猛攻を交わしてサイズを狙いたい時、明暗部分で全く反応が得られない時はハマる事も多く、キャスト範囲に橋脚があるのであれば、絶対にチェックしておきたいポイントです。
逆明暗を利用する
橋の街灯がつくる明暗は、誰にでも分かりやすメリットであるものの、それ故に先行者が入っていたり、しこたまルアーを投げられた後で、釣り場がスレているケースも多々あります。
そんな時は、明暗の外側に形成される逆明暗(私の勝手なネーミング)に目を付け、その部分を明暗と同じように狙ってみる。
要は、橋に設置されている街灯の光が届かない部分に、影の濃淡は出ないものの、上流側・下流側ともにボンヤリと明暗が形成されます。
こういった部分に注目するアングラーは少なく、人的プレッシャーが掛かっていないので、比較的簡単に釣れる事も。
明暗の光源色にも注目して探す
次に、意識して確認しておきたいのが、明暗を形成する街灯の光源色。『光と影』の濃淡とは別に、光源となる種類も重要。※と、勝手に思っています。
例えば、地元西宮で言うと、湾岸高速道路の街灯はLED化が進んだのか、10年前と比べて照明の色が白っぽく変わりました。
同じ高速を対岸から撮影した二枚の写真ですが、照明の色がオレンジ色から白色へと変化している事に気が付きます。
LEDでの経験がまだまだ足りず、ハッキリした事は言えませんが、個人的にはオレンジ色の街灯の方が調子は良かった印象だったり…。※白色に変わった時、パタッと釣れなくなった事があったので。
光源の種類によって、ルアーカラーも別の色に見えたりするので、明暗を形成する街灯色に注目しながら、色々と試すのも良いかと思います。
ピンスポット明暗にも注目
同じく、街灯によって変化する要素として、照明の当たり方によるスポット明暗(これも私の勝手なネーミング)にも注目。
立ち位置によって見え方が変わるので、ピンスポットの定義は難しいのですが、例えば街灯のポールや手スリの影が水面に落ちていたり、建物によって光が遮られ影になっていたり…。
一般的な明暗の感覚として、境目となっている赤色の破線を意識すると思います。※破線より左側が明部・右側が暗部。
この一般的な明暗に対し、良く見るとオレンジ色の破線部分にも影が出来ており、明暗のラインに形成される、スポット的な明暗になっている事が分かります。
このように、一般的な明暗とスポット明暗がクロスする場所、もしくは明部に形成されたスポット明暗でも釣れる事があるので、通常の明暗だけではなく、光の角度や影になる物を探しスポット明暗が出来ていないかもチェックする。
明暗ポイントで釣果を出すためのコツ
最後に、明暗撃ちで釣果が出ない場合、気を付けておきたいポイントとして『ルアーを巻き過ぎない(リトリーブを速めない)』という事。
基本的に、明るい場所から暗側へ入るタイミングで、シーバスからのアタックが出るイメージなのかも知れませんが、実際には暗い側へ入りつつ(横の釣り)、ゆっくりと沈む事によってバイトを引き出す(縦の釣り)要素も強いかと。
魚の習性見ていると気が付きますが、平面的に泳いでいる物よりも、自分の居る下側へ落ちて来る物へ反応する事が圧倒的に多い。
これは、ダメージを受けたベイトが力尽き落ちてくるといった遺伝子レベルの反応なのか、とにかく平面で動く物より上下(縦)の動きへアクションを起こす。
この事からも、明暗の釣りで釣果が出ない場合、ルアーを巻くスピードが速く平面的な動きになっている可能性が。
極端な図になりましたが、黒色の点線がリトリーブ速度の速い場合、赤色の点線が暗部へ送り込み、バイトのキッカケを作っている場合。
リップレスミノー等は、ルアーの重みを感じる程度の一定速でリトリーブすると、同じレンジを通って返って来ます。
なので、ルアーが暗部へ差し掛かるタイミングにてロッドを倒し、ラインを送り込みながら少し沈む縦の動きを追加してあげる。
これだけの事ですが、バイトの出方は圧倒的に増えるかと。
釣り始めた頃は、何が何か分かりにくいと思うので、ラインと水面の接点が暗部へ近づくタイミングでロッドを暗部の方へ向け、リトリーブ速度を一段落としてゆっくり巻く。この動作を入れるだけで、釣果も変わってくるかと。
明暗スポットが釣れる理由と釣り方・まとめ
ガッツリと長くなってしまいましたが、明暗の釣りの基礎的な要素はこんな感じになると思います。明暗の釣りは、明るい部分と暗い部分を通す事に注目しがちですが、同時に縦の動きも重要になる事を覚えておいて下さい。
今回は、夜間に形成される明暗についてですが、日中にも明暗は形成されます。
基本的には同じ考えで良いのですが、日中は少し勝手が違う部分も。※また時間がある時にでも記事にします。
昼夜どちらにも言える事は、『橋』という物を利用する場所では、必ず通行人のチェックを怠らず、無理なキャストは行わない。
近年、キャストしたルアーが歩行者に当たってしまう事故も増え、橋の近くでは釣り禁止になっているエリアもあります。こういった事故を起こさないためにも、周囲への配慮と安全確認は必須となります。※特に夜間は見えにくいので。
とりあえず明暗の基本的な部分は書いたものの、明暗が形成される要素は沢山あり、そういった物に気付いたり見つけたりする事が出来るかによって、シーバスの釣果も変わってきますし、釣りの楽しみ方も増えると思います。
シーバスを始めたばかりだと、何処へ投げれば良いのか分からない。といった状況だと思いますが、今回の明暗スポットはルアーを投げる際の大きなヒントになります。
まずは、基本的な明暗の釣りを体験し、ルアーが何処を通って返って来ているのか、キッチリと通したいスポットを引けているか確認しつつ、反応の違いを楽しんでみて下さい。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!!
今回の投稿と同じ「テクニック」にある前後の記事は、下記のようになっております。お時間がある時にでもチェックして頂けると嬉しいです!!
また、11月28日現在「シーバス釣り」には「 201件」の投稿があります。カテゴリー内での人気記事や、ブログの最新記事リストも記載しておきますので、宜しければ合わせてご覧くださいませ。
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